Last Update 2002.05.05
Karsten Adlung
来日記念ページ
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Adlung夫妻
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ADLUNG Spiele。小さなサイズのカードゲームを中心にゲームを発表し、ターゲットの年齢層も"Verräter(フェレータ)"、"Meuterer(ミューテラー)"に代表されるマニア向けから、"Winhard(リスの冬ごもり)""Ebbe & Flut(引き潮と満ち潮)"といったファミリー向け、"Buntbar
& Co(カラフルなクマさんと仲間たち)"のような子供向け、と多種多彩のゲームメーカーです。
去る4月29日、そのADLUNG Spieleの社長であるKarsten
Adlung氏と奥様のStephanieさんが商品プレゼンと日本観光のため来日されていたので、当店から代表者を送り込んでお会いしてきました。その一方でキャラフェスに参加していたわけですが…(^^;
午後2時、東京はJR恵比寿駅からすぐのビルにて、関係者総勢10名程でプレゼンは開始されました。
まずは、ADLUNG Spieleの歴史から。
- 1990年
- 公務員の仕事をしながら、Karsten氏が趣味として会社を設立。なお、この頃のゲームは、今のおなじみの小さいカードゲームではなく、普通の大きさのボードゲームを製作されていたとのこと。またどうして、今は小さいカードゲームを作っているのかと聞くと、「どんなポケットにも入って、どこにでも持っていって遊ぶことができるじゃないですか。それはとても重要なことですよね」
- 1995年
- この年に現在の小さいサイズのカードゲームの第1弾「SPEED」を発表。現在までに80万個を売るヒット商品になる。
- 1999年
- 大手電気メーカーで働いていたStephanieさんが会社に参加。また5人いるKarstenさんの兄弟も手伝いに加わり、現在は家族だけで会社を経営されています。ちなみにゲームデザインは、会社設立当初はKarsten氏本人が行っていましたが、近頃は年間100前後のゲームアイデアが、世界各国のゲームデザイナーから売り込みがあり、その中から10前後を商品化しているそうです。
Adlung家の面々を総動員した
"Maskenball Venezia"
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ADLUNG社の家族経営っぷりを表すエピソードとしては、99年のエッセンで発表された"Maskenball
Venezia(ヴェネツィア謝肉祭)"のカードに使用した写真のモデルが、実は外部に発注したものではなく、Adlung家の面々に仮面と衣装を着せてKarsten氏が撮影したことが挙げられます(笑)。
続いて商品の紹介。今回の紹介のあったゲームは"Speed"、"Grabsch"、"Dots"、"Buntbar&Co(カラフルなクマさんと仲間たち)"、"Schlauer","Monrter
Jage"と、ADLUNG社製品としては比較的低年齢向けのゲームを選んでのものでしたが、Karsten氏から、
「私たちは、低年齢向けのゲームを製作する時、次の3点に注意しています。
- 子供たちが楽しく遊ぶことができるかどうか。
- ゲームのルールがすぐに理解できるかどうか。
- みんなで(低年齢向けのゲームに大人がまじり、その大人も)楽しく遊ぶことができるかどうか。
この3点が、本当にできるかどうか、実際に幼稚園や学校を回って商品のテストプレイして確かめるのです」
と説明があり、また特に3番は、低年齢向けのゲームだからといって大人から見て子供だましのようなゲームでは絶対いけない、と力説されておられました。
"Taktvoll(タクトフォル)"を
プレイするKarsten氏
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その後、商品を一つ一つ参加者でプレイをしていきました。当店ではおなじみな物も多かったのですが、当日初めて目にするという方も多く非常に盛り上がり、午後4時に終わる予定だったのが気がつけば7時(笑)。プレゼンというには、あまりにも楽しい時間を過ごさせていただきました。
最後に、Karstenさんから色々話を聞きました。
中でも現在ドイツでは、日本やアメリカからきたトレーディングカードゲームの影響でボードゲームやカードゲームの価格を、大幅に変更しなくではならなくなり、また、そのおかげでADLUNG社と同じように良い物を作ろうと頑張っていた会社が、利益追求の会社になってしまい非常に残念だと言っておられました。
こんな状況のドイツゲーム業界の中でも、プレーヤーの事を最優先に考え、良い物を製作していこうとされているADLUNG社を当店はこれからも、応援していこうと思います。
おまけ1
- Karsten Adlung:
- 「Alan R. Moonというゲームデザイナーを知っていますか?」
- 当店:
- 「ええ、もちろん」
- Karsten Adlung:
- 「彼からゲームデザインの案をもらっていて、もしかすると製品化するかもしれないから楽しみにしていてね」
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