剣客浪人TRPG 「斬る!」





 江戸と呼ばれた世は、[その夜]を境に一変した。地の床が一晩の間ゆるやかに揺れたあくる朝、摩訶不思議な霧が世の中みぃんな包み込んだ。幾日もして、ようやく霧が晴れたと思ったら、晴れない霧の壁が国をぐるっと囲う様に残ってた。霧の壁に入った者は、誰も帰ってこなかった。「帳」はそうやって出来た…
 
 霧の壁[帳]によって国土を分断さた幕府は、統治能力を失い瓦解しました。霧の中で孤立した人々は、その土地の有力者を頂点とした封建社会を築いてきます。限られた土地で生き残る為、武士の多くは農民へと変わる事を余儀なくされ、適合できない者達はならず者へと姿を変えました…ある者は徒党を組み集落を襲う野武士となり、ある者は己の腕一本で世を渡る浪人へと姿を変えていきます。[月の道]と呼ばれる、[帳]を渡る道が発見された事で、他の孤立地域との交流が細々とながら再開され、ならず者達も[帳]を超えて活動を広げていきます。そんな乱世の中で、浪人としての生き様を描くのが本作品です。

 判定システムは「指定された能力値+修正値」を目標とした下方ロールで、使用するダイスにより難易度が変わります。一般的な判定ではd10を使用しますが、対抗判定ではd4、d6、d8、d10、d12、d20の中から使用するダイスを1個選び、双方が成功した場合、より面の多いダイスのを振った側が勝ちます。

 セッションを進めるにあたって、「物語用紙」と「戦場用紙」が用意されています。「物語用紙」は登場人物やシナリオの目的、総シーン数や、NPCとの関係や情報の入手の度合いなどが示されが示され、PCの行動に応じて内容が追加されたり、書き換えられていきます。「戦場用紙」はクライマックスに宿敵と決戦をおこなう戦場で、シナリオ中のPCの行動によって、具体的な内容が詰められていきます。制限時間内にどこまで有利な状況を作っておけるかが、PCの生死を分ける事になります。
 
 言霊と呼ばれるキーワードを使って演出する事で【宿縁(消費する事で、判定ダイスを変更したりできます)】を獲得できたり、PCの命運が途切れた際に振る「死に様表」などの個性的なチャート類があったりと、無頼で無常な世界が上手く表現されています。

 d4、d6、d8、d10、d12、d20が必要になります。


サークル/影絵座 刊
同人誌


完売しました
著:秋山紅水
発行:影絵座
 ルールブック
735円(税込)